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住宅設計の知っておきたいポイント~土地の選定から申請方法までをご紹介~

ここでは住宅を設計して上でのポイントを記載していきます。

1. 敷地選定について

・住宅を建てるにはまず、敷地の選定から始めます。まだ敷地が決まっていなくて、これから敷地を選定する場合次の点に注意が必要です。

まずは住宅が建設できる場所か確認が必要です。市街化調整区域であれば基本的に建設ができません。また用途地域が工業専用地域であれば建設できません。地盤が悪い地域も注意が必要です。地盤が悪いと地盤改良や杭等で、コストが大幅に増えてしまいます。崖地等も崖の規制で建設できない場合や擁壁にコストが掛かる場合があります。旗竿敷地の場合は住宅密集地に多い敷地ですが、周辺が住宅に囲まれている場合があり住宅環境としてはあまりよくありません。前面道路が4m以下であれば、道路を拡幅する必要があり敷地が狭くなります。都市計画道路の場合もセットバック等何等かの制約が生じます。インフラの調査も必要です。電気、水道、下水道、都市ガスの整備状況等確認していきます。敷地測量や地盤調査(ボーリング調査)が必要となるのでその費用も見込んでおく必要があります。

2.条件の確認

・まずは建て主の要望を聞くことから始めます。家族構成、どのようなライフスタイルなのか、どのような部屋が必要なのか車の台数、階数構成などを確認していきます。ここで重要なことは予算がどのくらい掛けられるのか確認が必要で、コスト次第で建物の規模や構造、仕様等が変わっていきます。どのようなデザインが好みなのかも聞いておく必要があります。

3.ボリューム検討

・建物のボリュームについては、敷地の建蔽率や容積率、斜線規制、日影規制、隣地の状況等で決まってきます。何パターンか案を作成して比較する必要があります。模型や3Dソフト等を使って検討していきます。

4.配置計画

・配置については、ボリューム検討と連動して決まってきますが、玄関の位置や駐車場の位置、庭の配置等で決定されます。

5.プランの検討

・部屋の構成や大きさ動線等の要望を確認しながら平面のプランを行っていきます。それぞれの部屋のポイントについては今後記載していくこととします。設計時は基本設計と実施設計に分けて行います。基本設計は部屋の間取り、配置計画、外観計画等基本的な考え方を決定します。実施設計は詳細な仕上げの仕様等を決定していきます。

6.構造について

・戸建て住宅の場合の構造は木造か鉄骨造か鉄筋コンクリート造のいずれかとなります。コストの比較としては、木造、鉄骨、鉄筋コンクリートの順となります。耐用年数としては、木造が22年、鉄骨造は34年、鉄筋コンクリート造は38年となります。法定耐用年数となるので、実際の耐用年数は違ってきます。鉄筋コンクリート造はメンテナンス次第では100年以上もつと言われています。断熱性能に関しては構造とは関係ありません。

7.外観計画

・プランや構造が決まった段階で、外観の計画を行います。まずは外装材の検討を行います。タイルや塗装、吹付タイル、コンクリート打ち放し等様々ですが、いずれもメンテナンスは必要となってきます。コストやデザインを考慮しながら選定していきます。開口部(サッシ)についても、どこにどのように設置するかも、検討が必要です。隣地からの視線の遮り方、周辺の景観の見せ方、デザイン等総合的に判断していきます。

8.設備計画

・電気設備については、照明やコンセント、音響等要望を聞きながら計画していきます。空調設備については、エアコンの設置位置等。衛生設備はトイレ、浴室、洗面等水回り等。オール電化とするか、ガス併用とするか等ランニングコストなど検討しながら計画します。太陽光パネルについても近年注目されていますが、売電するかそのまま自家用の発電として使うかは、ランニングコスト等を検討して決定していきます。

9.仕上げ、仕様の決定

・各部屋の床や壁、天井の仕上げを決定していきます。壁や天井の仕上げについては、クロスやペンキであれば特殊なものでない限りは同じコストです。デザイン性等を考慮したタイルや木練り付け、コンクリート打ち放し等がありますが、コストも併せて検討が必要です。床材については、ビニール系床材、フローリング、タイル等があります。使用の用途や床暖の有無等で仕様を決定していきます。

10.外構計画

・外構については、駐車場、駐輪場、植栽、舗装の種類等要望を聞きながら計画をしていきます。舗装についてはタイルやコンクリート仕上げ、石等があります。植栽については、四季を通じて楽しめる植栽を植えるとよいでしょう。落葉樹は落ち葉の問題があるので、注意が必要です。

11.工事費の算出

・住宅の着工前に工事費を算出します。基本設計時には概算の工事費を算出します。坪単価等簡易な計算で算出していきます。図面ができた段階で実際の工事費を算出します。積算によって算出も可能ですが、実際に施工業者へ数社に見積もりを算出していただきます。予算をオーバーしている場合は仕様を見直す等で調整を行います。

12.申請の提出

・図面ができた時点で、確認審査期間へ確認申請の提出が必要です。建築基準法による法的な内容に問題がないか審査をしてもらいます。申請手数料が必要となります。物件にもよりますが、数週間後に許可が下りるのでその後に住宅の着工が可能です。

13.まとめ

・住宅を設計するプロセスを紹介してきましたがいかがだったでしょうか?

住宅を建てることは人生で一番高いお買い物となります。そのためお互いに時間を掛けて対話を行い、思いがこもった建物を設計したいと思います。
お客様のこだわりやご要望をしっかりと汲み取り、「どのように暮らしていくか」を一緒に考えていけるよう私達自身も心掛けて今後も設計できればと思います。

お客様が家を建てることは一生に一度あるかないかの経験です。最初は分からないことが多く不安に感じることも沢山あるかと思います。
そのような時にお気軽にご相談いただければ、適切なアドバイスを致しますのでご安心ください。

この記事を書いた人:スタウトキャッスル

スタウトキャッスル

九州・福岡を拠点に活動する有限会社スタウトキャッスル 一級建築士事務所です。一級建築士として20年の歴史があり、福岡県を中心として九州全域にて住宅、マンション、事務所などの豊富な実績があります。 お客様が家を建てることは一生に一度あるかないかの経験です。最初は分からないことが多く不安に感じることも沢山あるかと思います。 そのような時にお気軽に声をお掛けいただければ、適正なアドバイスを致しますのでご安心ください。

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